ボルティモアクリッパーとは

アメリカの発展につれて、主に国内の連絡・運送の交通機関として発達したのが、このボルティモアクリッパーという船種です。

もちろん、当時の誰かが、名づけた訳ではありません。当時のボルティモア周辺は特に豊富な森林があり、それらに支えられて造船業が活発となっていきます。その中でも特に中型~小型のスクーナー(縦帆船の代表的な船)は、高速・高性能で、ヨーロッパにまで聞こえるほど定評があったそうです。(ちなみに、アメリカで最初にスクーナーが造られたのは18世紀初頭のようです。)それで、この地方で作られた中型~小型のスクーナーの船を、いつの間にか、そう呼ぶようになったようです。

このタイプの船は、一見してすぐに目につく外見的特徴があります。マストの角度です。他の地域で作られたスクーナーよりその傾きが激しいのです。

なお、「クリッパー」の語源ですが「クリップ」(クリップする~切りつめる~時を短くする~早い)という言葉から来ているそうです。いわゆる帆船の最終進化形態である「クリッパー」と混同しそうですが、ボルティモアクリッパーとは全くの別の船種です。

なお、アメリカ独立戦争の際には、この手の船が私掠船として通商破壊戦を行い活躍します。

有名な船

リンクス

 リンクスは米英戦争(1812年戦争)時に用いられた、アメリカの私掠船です。2001年に復元され、現在、慈善団体によってセールトレーニング船として用いられています。Privateerlynx.comで、その様子や、復元船の情報を得ることができます。
 いわゆるボルティモアスクーナーというアメリカ固有の船種で、当時のボルティモアを背景とした良質の木材、追求されたその快速性で、その船種はヨーロッパまで知られていました。中でもリンクスは当時最も速い船とも言われていました。

 ちなみに、Privateerlynx.comというドメインの下になっているプライバティア(Privateer)というのは国家の私掠許可状(レターオブマルク)を持つ海賊?(公認されたので海賊というのも語弊があるかもしれません)のことです。英語で海賊というとパイレーツが思い浮かびますが、パイレーツは私掠許可状をもたない無法者たちです。プライバティアは捕まれば、捕虜扱いですが、パイレーツは縛り首です。
 最も有名な私掠船提督は16世紀のフランシスドレイクですが古くから日本では正統派海賊として理解されてたように思います。彼は人類史上、提督としてはじめて世界一周をなしとげた人物で、その私掠航海の収益で、イギリス王室に収入(歳入)の約1.5倍の金額をおさめています。また彼は、アルマダを迎え撃つ際、副指揮官に任命されていますが、実質上は彼の指揮だったともいわれています。まさに海賊王です。

.

プライドオブボルティモア2 モデルシップウエイキット

プライド オブ ボルティモア2

ホームページがあります。やっぱり帆船は優雅ですね。

https://pride2.org/